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小麦粉・薄力粉・片栗粉の違いは何?
「レシピには薄力粉と書いてあったけど、「薄力小麦粉」は別物なの?」などと、一度は悩まれたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
よく使う代表的な粉3種類について、その違いを解説していきます!
小麦粉
「小麦粉」とはその名の通り、「小麦」を原材料としています。機械で挽いて粉状にし、籾殻「表皮」やふすまと呼ばれる「胚芽」の部分を取り除いたものです。
小麦粉は炭水化物とタンパク質が主な成分です。
ちなみに日本で食べられている小麦粉は、約90%が輸入と言われています。アメリカ・カナダ・オーストラリアなどが多いようですね。
上記のような小麦産地は土地面積が雄大で、小麦を栽培しやすい気候も兼ね備えているため、大量生産・輸出が可能で、比較的リーズナブルな値段で取引されています。
そのため、「国産小麦」や「フランス産小麦」という名前が付くと値段が高くなっているのです。
薄力粉
上記で小麦粉について、精製のされ方を簡単にご紹介しましたが、小麦粉は「強力粉」「中力粉」「薄力粉」の3種類に分けられます。
そうなんです、「薄力粉」は「小麦粉」という大分類の中の1つなのです。
小麦粉には「グルテン」というタンパク質の1種が含まれています。このグルテンがあることでパンやパスタのもちもち感が生まれるので、粘りを出すタンパク質と言えます。
強力粉、中力粉、薄力粉は、このグルテン(タンパク質)の含有量で分けられます。
それぞれの粉のタンパク質含有量
- 強力粉:11.5~13%
- 中力粉:8.5~10.5%
- 薄力粉:6.5~8.5%
私は普段料理教室で講師をしているのですが、この粉の違いについて生徒様に、
『「強力粉」は粘りが「強」くでる粉なので、パンやパスタに向いている。反対に「薄力粉」は粘りが「薄」いので、ふわっと仕上げたいケーキや揚げ物の衣に向いている。と覚えてくださいね』とご説明しています^^
片栗粉
では、片栗粉とは何者でしょう?
現在販売されている「片栗粉」のほとんどは、馬鈴薯というじゃがいもの一種を原料としており、馬鈴薯でんぷんから作られています。
現在、と付けたのは、昔は違ったからなのですが、江戸時代ごろは「カタクリ」というユリ科植物の球根から作られていました。
消化が良いため滋養薬としてたくさん使用されたカタクリの球根でしたが、そもそも1つの球根から取れるでんぷん量が少なかったため、栽培量が追いつかなかったよう。
このような中、明治時代ごろに大量生産された馬鈴薯から、このカタクリに似たでんぷんが採取できたため、代用されるようになり、今日では主流となったようです。
片栗粉は小麦粉と違って、炭水化物がほとんどで、タンパク質はほぼ含まないのが特徴です。
揚げ物に適しているのは小麦粉?片栗粉?
小麦粉・薄力粉・片栗粉の違いがわかったところで、揚げ物にはどの粉が向いているのでしょう?
答えは、お好みで!です。笑
しかし、それでは話が終わってしまうので、食感の違いなどご説明しようと思います。わかりやすく、唐揚げで比較してみましょう。
唐揚げ比較!
小麦粉で作った唐揚げは、揚げたてはサクサクとした食感で、時間が経って冷めるとしっとりします。また、茶色く色づきやすいのも特徴。
片栗粉で作った唐揚げは、ザクザクと、小麦粉よりも少ししっかりした食感。しかし時間が経って冷めると、油っぽさを感じやすいのが難点です。揚げたてを食べましょう!色は小麦粉よりも白っぽく仕上がります。
ちなみに私のおすすめは、小麦粉と片栗粉を同量ずつで混ぜた衣。ザクザク食感で、冷めても美味しく食べられるという、両方のいいとこ取りができます!^^
向いている揚げ物
- 小麦粉:唐揚げ、フリット、フライなど
- 片栗粉:竜田揚げなど
クッキーを作るときの小麦粉は薄力粉?他ので代用できる?
それぞれの粉の違い、揚げ物に向いている粉はわかっていただけたと思います。
粉の違いのところで少し書いたように、ケーキなどお菓子作りには「薄力粉」が向いています。それはスポンジだけでなくクッキーも同じです。
薄力粉が向いている理由
なぜお菓子作りに薄力粉が向いているのかは、やはりグルテン含有量が関係しています。
小麦粉は水分と合わさって、さらに混ぜたりこねたりすることで、グルテンの網状組織が作られ、粘りの元となります。
パンや麺の場合はこのグルテンをしっかり作る必要があるため、そもそもグルテン含有量の多い「強力粉」を使うのですが、お菓子作りの場合は別です。
例えばスポンジケーキだと、ふわっと軽い食感に仕上げたいため、材料は「薄力粉」を選び、練らないように混ぜ合わせます。
また、クッキーはサクサクほろほろに仕上げたいですよね。なので同じく「薄力粉」を選び、練らないように形を作ります。
代用は?
いずれの粉にしても、本来は薄力粉で作るレシピなのであれば、他の粉に置き換えをするとうまくいかない可能性が大きいです。
米粉や強力粉でクッキーを作ることは可能ですので、専用のレシピを探した方が良さそうですね!
小麦粉と片栗粉でとろみに違いはあるの?
とろみづけに使用する場合、料理によって粉を変えましょう。
基本的にとろみの強さは、小麦粉<片栗粉です。
小麦粉はカレールウなどに入っており、とろみは付けたいけど粘りは出したくない、カレーやデミグラスソースなどに使用します。一方片栗粉は、あんかけなど強いとろみをつける際に使います。
片栗粉でのとろみづけ。失敗しない方法!
片栗粉でとろみをつけるとき、だまになってしまった経験がある方も多いと思います。
片栗粉は水分に溶けにくいので、まず別皿に水で溶いてから鍋の中に入れましょう。
水溶き片栗粉は、水2:片栗粉1とすると失敗しづらいですよ。ちなみにプロは水1:片栗粉1とするそうです^^
60℃以上で固まる性質があるので、水溶き片栗粉を入れる前に火をとめ、入れるときは一箇所に固まらないように、全体に回し入れます。そして鍋の食材とざっと混ぜたら、再び火をつけ、中弱火でとろみがつくまで加熱します。
小麦粉・薄力粉・片栗粉の違いは?揚げ物やクッキーに合うのはどれ?のまとめ
いかがでしたでしょうか。
それぞれの粉の特徴や違いを知って、最適な粉を選ぶと、お料理もグッと美味しく仕上げられそうですね^^
- 小麦粉はタンパク質含有量によって、強力粉・中力粉・薄力粉に分けられる
- 片栗粉は馬鈴薯でんぷんから出来ている、タンパク質はほぼ含まない
- 揚げ物は、仕上げたい食感によって粉を変えましょう
- お菓子作りには薄力粉が向いている
- 薄力粉がない場合、他の粉での代用はしない方がベター
- 薄力粉以外の粉でも作れるお菓子のレシピを選択する
- 料理によって、とろみ付けに使用する粉を選択する
- 片栗粉でのとろみ付けは、水で溶く割合と火加減に注意
また、小麦粉に関する豆知識はこちらにも詳しくまとめているのであわせて参考にしてくださいね。
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