「数の子」と言えばお正月に食べるものというイメージですが、我が家は数の子好きで、お正月以外にもお寿司の具材にしたり、お客様が来た時のおもてなし料理に使ったりと普段から活躍している食材です。
料理に使うと特別感がある数の子ですが、塩抜きや薄皮を取るなどの下準備が上手くいかなくて苦みが出たり…
食べたときにちょっと臭みがあったらせっかくの料理が台無しですよね。
実は、これがいいと思っていた下準備が失敗の原因だったりすることも!
そこで今回は、失敗しない数の子の塩抜きや臭み取りのコツなどをご紹介します。
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数の子が苦いのは塩抜き失敗?対処法は?
数の子を食べるときは、シンプルな味付けにすることが多いですね。
ですから素材の味を引き立てるために、数の子の下準備はとても大切です!
ところで、数の子の下準備をしたのに苦みが出てしまったということはありませんか?
それは塩抜きの仕方を間違えてしまったのかも知れません。
苦みの原因
- 塩抜きをし過ぎた!意外と思われるかもしれませんが、塩抜きをし過ぎると数の子が持つ苦みが強く出てしまいます
- 塩抜きが足りない!数の子には、酸化マグネシウムやアミノ酸が含まれています。この成分が苦みを持つために、塩抜きが足りないと本来の苦みが強く出てしまいます。
このポイントを押さえて、数の子の塩抜きを上手にすると美味しく食べられます!
では初めに、塩抜きを失敗して苦みが出てしまった数の子の対処法をお伝えしますね。
苦みの対処法
- 塩分を抜きすぎて苦みが出た場合は、初めに塩抜きをした塩水の3倍の濃度の塩水に1時間ほど漬ければOKです
- 塩抜きの時間が足りずに苦みが出ている場合は、濃い目の塩水に再度1時間漬け、その塩水は全部捨てて、先ほどの塩水よりも薄めにした液にまた漬けます(この方法は、数の子が塩水と同じ塩分になる性質があるため塩分が徐々に抜けていくことを利用したものです)
- 苦みのある数の子を少し濃い目のだし汁などに漬けて、味付けで苦みを消す方法もあります
数の子の塩抜きを失敗しない方法は?
苦みのある数の子のリカバリーはいくつかありますが、出来ればリカバリーせずに初めから上手に漬けたいものですね。
それでは失敗する原因はどこにあるのでしょうか?
真水で塩抜きをする
我が家でも最初にこの失敗をしました!
塩抜きというのだから真水で抜くのだろうと思っていましたが、この方法では塩が抜けすぎて数の子本来の苦みがでてしまうのと、表面のみの塩が抜けて中身はしょっぱい味が残ります。
塩水を交換しないでそのままにする
せっかく塩水を使って長い時間塩抜きをしているのに塩辛い!それは、長時間放置しても、数の子と塩水の濃度が同じになると、そこから時間をかけてもそれ以上数の子から塩分が抜けることがないからです。
放置している時間が長いと数の子の品質が悪くなってしまいます!
このことを踏まえて、失敗しない塩抜きの仕方は次の通りです。
失敗しない塩抜きの方法
準備するもの
- 数の子・・・300gくらい
- 水・・・1リットル(1回分の量)
- 食塩・・・小さじ一杯(1回分の量)
- 蓋つきの容器
手順
- 容器に水と食塩を入れてよくかき混ぜ塩水を作ります
- 塩水に数の子を入れて7時間くらい置きます(夏場は冷蔵庫で保存)
- 時間がたったら塩水を捨てて、数の子の薄皮を取り除きます
- 3の数の子を再度1と同じ濃度の塩水に6~8時間漬けます
- 漬けた数の子の味を見て、塩味が抜けていれば完成です
少し手間がかかりますが、ゆっくり時間をかけて塩抜きをすると失敗しない下準備ができます!
また、数の子の鮮度を保つためには、室温は15℃くらいで、漬ける水温は20℃以下にすることがポイントです。
数の子の塩抜きをできるだけ時短するコツは?
上手に塩抜きをするためには時間をかけてゆっくりですが、半日以上も待てない場合は、時短でできる方法があります!
塩抜きを時短でする
準備するもの
- 数の子・・・適量
- 40℃のぬるま湯・・・1リットル
- 常温の水・・・2リットル(2回分)
- 食塩・・・小さじ一杯
- 数の子をつける容器
手順
- 容器に40℃のぬるま湯と食塩を入れて塩水を作ります
- 1に数の子を入れて1時間漬けます
- 時間がたったら数の子の薄皮を取り除きます
- 常温の水に1時間漬けて、先ほど取れなかった薄皮を取り除きます
- 新しい常温の水に再度1時間漬けて、味を見て塩味が丁度良ければOK
この方法で気を付けることは、40℃以上のお湯に漬けないことです。
高い温度のお湯に数の子を付けると傷んで身がポロポロになります!
薄皮のとり方について
薄皮とりはちょっと大変ですよね。
ですが、塩抜きと同時にタイミグよく剥けばスムーズにできます!
- 時間をかけて塩抜きをするときも時短の時も、一度目の漬ける時間が終わった時に薄皮をむく
- 塩を抜く前に薄皮を剥くと身がボロボロになるのでNG
- 塩が抜けきった後に剥くのも身と皮の離れが悪いためNG
数の子の臭み取りの方法やコツは?
上手に塩抜きをしたけど何となく臭みが残る!
でも大丈夫!ちょっとしたひと手間で数の子の臭みがなく美味しく食べられる方法があります。
追いかつお
追いかつおを使うことで、鰹節の旨味と数の子旨味が相乗効果で臭みがなく美味しく頂けます。
材料
- 数の子・・・5本
- ぬるま湯・・・100㏄
- 日本酒・・・大さじ1
- みりん・・・大さじ1/2
- 薄口醬油・・・大さじ1/2
- 濃口醬油・・・小さじ1
- 削り節・・・小さじ2
- 追いかつお分の削り節・・・適量
作り方
- 削り節以外の材料を鍋に入れてひと煮立ちする
- 1に削り節を入れて再び沸騰させる
- 2が冷めたらザルなどでこして数の子を漬ける
- 冷蔵庫に入れて時々数の子を裏返しながら一晩置く
- 一晩漬けた数の子を器に盛る
- 食べる分の数の子に、一皿一つまみ分の削り節をフライパンで乾煎りしてからのせる
食べる直前に掛ける追いかつおの削り節を乾煎りすることで、香ばしく臭みなどが全く感じられずに頂けます。
まとめ
数の子の塩抜きを失敗した時のリカバリー方法や、苦みや臭みなどがある数の子を美味しく食べられるコツをまとめました!
- 塩抜きが足りない場合も、塩抜きをし過ぎても数の子本来の苦みが出てしまう
- 失敗しないためには真水ではなく塩水で一回につき7時間くらい付けて、塩水を交感し2回目の塩抜きのための塩水に6~8時間漬けてゆっくりと塩を抜く
- 時短で塩抜きをするときは、40℃の塩水に1時間漬け、その後常温の水に1時間漬けることを2回繰り返します
- 数の子の臭みが気になるときは、かつお節を使っただし汁に漬けて、食べる直前に煎った削り節を掛ける『追いかつお』にするのがおススメ
お正月が過ぎるとスーパーでは見かけなくなるので、お取り寄せできる美味しい数の子をご紹介します。
また、数の子の賞味期限や保存方法については、こちらにまとめているのであわせて参考にしてください。
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